9年目に入ると急に社員が増えました。42人となったのです。売上
は32億円。この年にポストセールスの部長になりトラブルだけを扱う
ことになりました。エンジニアも自分で4人採用しました。トレーニ
ングを行なうインストラクターも採用しました。でも、彼らを教育す
るのが今度は大変になりました。しかし、SE部隊もでき営業支援はじ
ょじょにそちらに任せるようにしました。
10年目は外資系企業の経営ができる日本人が入ってきました。米国
の超有名大学でMBA を取得し前の外資系企業で副社長をしていた人で
す。今までは個人商店のビジネスでした。1人が何役もこなすのです。
極端なことを言うと営業でも端末からシステムのデータ変更ができる
人間がいたり、トラブルを扱う私までが営業活動をすることもありの
世界でした。
60人の組織になり分業体制となりました。と同時にAPAC(シンガポ
ール)から私の組織は直接マネジメントされることになりました。直
属の上司はシンガポールにいるオーストラリア人でものすごく厳しい
人でした。しかし「飴と鞭(むち)」の使い方を知っている人でした。
一番つらかったのは、私のポストセールス(トラブル対応)の部隊
は米国を除けば世界で一番技術力のある組織に成長していました。し
かし、どうしても日本ではわからない問題は今までアメリカの技術部
門に直接聞いていました。しかしシンガポールの技術部隊にエスカレ
ーションしなければならなくなりました。
われわれからすると技術力が無さ過ぎでお話になりません。そこで
現状を直訴し日本のエンジニアを直接アメリカに3ヶ月交代で駐在さ
せたのです。夜エスカレーションすると朝回答が返ってくるのです。
しかし、上司とその部下が日本に来た時に個室に閉じ込められ2時間
に渡るお説教です。
私がしたことは、「シンガポールは実力がない。」ことを証明した
ようなもので向こうからすると立場がなくなったわけです。部下に不
満を持たせたのは私のマネジメントが悪い、シンガポールの技術力が
ないことを直接表現するのは失礼である等々のお説教でした。でもそ
の年の目標は達成され、バンコクにご褒美の旅行が全員に与えられま
した。
11年目には、69人、36億円の売上。12年目に105 人、78億円。13年
目に136人、103億円。このときには私はプリセールス(SE)の部長にな
っていました。と同時にエンドユーザーに対して直接保守するビジネ
スを立ち上げました。1人のエンジニアを使い、ある代理店にアウト
ソースしたのです。まだこのころはAPACの存在は迷惑であったものの
日本で自由にアクションがとれた時代でした。
14年目はリストラの時代です。131人、78億円でしたが22人が退職
しました。15年目は101人、42億円で33名退職しました。
実は、16年目の今年は93名で、40億円いくか行かないかのレベルで
す。社員数は半分であってもおかしくない状況ですね。
前にもお話しましたが「縦組織」の弊害で日本の社長が40%の社員
に対してのみしかコントロールできないのです。残りは、アメリカや
APACの人によりコントロールされているのです。予算、人事権がかれ
らにありますからその「縦組織」の中でリストラが始まるのです。
このような状況の中50歳で最年長となり当然収入も上に属する私は
遅かれ早かれ標的にされると判断しました。リストラされた人達は当
然のことながら就職が難しいのが現状です。
今度転職する会社は、60人、50億円の売上の会社です。イギリスの
外資系企業でヨーロッパではコンサルタント会社として有名な会社で
す。日本では、通信事業をしています。実は、もうその会社には私の
今の会社から4名が転職しているのです。1人が営業本部長で実質No.
2です。
かれは、20人の部下を持っています。また、Operation と呼ばれる
技術部隊は現在31名で、アイルランド人がマネジしています。その下
にカスタマーサービス部があり、そこで私は働きます。20人のエンジ
ニアがいる部隊です。Operation の下には別の部もあり現在そこにも
私の今の会社から転職した人がいます。その人が今度Operation のト
ップになります。つまり私の上司になるわけです。
60人の会社で、そのうち20人 + 31人が、いわゆる私の友人により
マネジされることになるわけです。その31人の20人を私が面倒を見る
ことができるということは、この3人で会社の方向性をコントロール
できる可能性が非常に高いということを意味しています。
そういう意味で非常にチャレンジングな仕事です。エンドユーザー
相手の仕事でしかもキャリア(通信事業者)がお客様ですから今の仕
事をはるかに越える忙しさになることはわかっています。
50歳にして新たなる人生の開始です。私の最初の会社では、友達が、
先輩がリストラに遭いました。今のこんな時代に仕事があるだけでも
ありがたいと思わないといけませんね。